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羽毛布団の匂いの原因は何?
羽毛布団を使っている時に気になるのは脂っぽい、いわゆる「獣臭い」匂いでしょう。
これは羽毛に残る水鳥の油脂の匂いや、油脂を栄養にして繁殖する雑菌などの匂い。
なんともいえない嫌な臭いなので、気になってしまうとせっかくの暖かな布団が使いにくくなってしまいます。
どうしてこんな匂いが残ってしまうのでしょうか?
最初にその原因を解説していきましょう。
ダックは匂いがきつい
一般的に羽毛布団には、次の4種の羽毛が使われています。
・ マザーグース(ホワイトシルバー)
・ グース(ホワイトシルバー)
・ マザーダック(ホワイトシルバー)
・ ダック(ホワイトシルバー)
水鳥の品種としては大きく分けてグース(鵞鳥)とダック(家鴨)の2種類があり、先に挙げたものほど高品質だと評価されます。
羽毛布団には「ホワイト」と「シルバー」と表記されるものもありますが、これは羽毛の色の違いで、どの品種でも変わりはありません。
2品種の水鳥の中では、そもそもダックのほうが油脂の分泌が多く、匂いも強い傾向があります。
特に飼育期間が短い、食用として飼育された未成熟なダックの羽毛を使った布団ほど匂いがきついといえるでしょう。
洗浄力不足で匂う
羽毛は洗浄処理をしてから布団の中に詰められますが、このとき充分に洗浄をしていないと、匂いも強く残ります。
日本国産の羽毛布団の場合は、ダウンを洗浄した水の透明度は500mm以上が原則。
これは日本羽毛製品協同組合の基準値なのですが、大手布団メーカーではこれよりも厳しい独自基準を設けて、匂い残りの少ない高品質な商品を作っています。
ただし外国の場合は国ごとに洗浄基準が違い、しっかりと洗浄してから出荷している羽毛農家もあれば、洗浄基準がない国も…。
羽毛の洗浄には、それなりのコストがかかります。
安価な羽毛布団はそれだけ匂い残りのリスクは高いので、特に外国産の羽毛布団の場合は注意をしましょう。
湿気が多い時は匂いが強くなる
一般的に、羽毛布団の匂いは梅雨時や夏場の、高温多湿な時期に匂いが強くなる傾向があります。
これは主に、温度と湿気で羽毛に付着した油脂分が溶けだすから。
夏場などは輸送の際にトラックのなかで羽毛布団が暖められて、家でパッケージから出したとたんに強い匂いがすることもあります。
羽毛布団の匂いを消すには?
油脂は羽毛が枝毛になるのを防ぎ、布団の保温効果を維持する役割を担っているので、ある程度は残しておかざるを得ません。
そのため羽毛布団に匂いが残ってしまうのは、やむを得ないこと。
ですが羽毛布団の匂いは、使い方によってある程度改善ができます。
ご自宅の羽毛布団の匂いが気になる場合は、次の対策を試してみてください。
羽毛布団を乾燥させる
羽毛布団の匂いは風通しのよい場所で陰干しをし、乾燥させると、ある程度和らぎます。
生地が傷まないように日陰で、日中3時間ほど干しましょう。
室内でも風通しが良ければ、問題ありません。
布団乾燥機を使えば、雨が多い梅雨時でも匂い対策ができます。
保管方法を見直す
羽毛布団の匂いは通気性の悪い状態で密閉すると生地などにこびりついてしまうので、保管方法を見直しましょう。
購入した時にビニール袋に入っていた場合は、開封してから収納するのが原則。
湿気や高温化も匂いのもとなので、ジメジメとした物置などで保管するのはやめましょう。
ファブリーズは絶対にダメ
羽毛布団の匂いをごまかそうと、フォブリーズなどの布用芳香剤を使うのは好ましくありません。
一時的に匂いが気にならなくなっても、油脂が除去できるわけではないので、時間がたてばまた匂いが戻ってしまいます。
それどころか芳香剤の成分で、中の羽毛が傷んでしまう危険性があります。
保温効果が落ちてしまうので、芳香剤の使用はやめましょう。
匂いが少ない布団を選ぼう
羽毛布団に油脂が残るのはやむを得ませんが、匂いを少ないグースを使ったり、しっかり洗浄したりしている布団なら、比較的匂いは少なめです。
匂い残りが少ないとユーザー評価の高い布団を4つ、ご紹介していきましょう。
櫻道ふとん 御殿場スペシャル羽毛布団
「腰いい寝」で知られる櫻道布団の羽毛布団は、プレミアムポーランドマザーグースダウンを、93%も使用しています。
老舗ふとん店ならではの品質管理で、羽毛の洗浄を5回繰り返しているため、嫌な匂い残りはありません。
熟練の職人が作り上げる最高級の羽毛布団は、匂いが少ないだけでなく保温性も抜群なので、良い布団を探している人におすすめです。
ニトリ かるふわ羽毛掛ふとん
比較的匂いが少ない、シベリア産グースを使っています。
羽毛自体にも消臭 抗菌加工をしているので匂いがでにくく、ダニ由来の汚れを防ぐ効果も。
ニトリ製品ということで、リーズナブルな価格で買えるのも魅力です。
無印良品 グレー羽毛掛ふとん一層式
ウクライナの農村地域の自然環境下で飼育されている、グレーグースの羽毛を使っています。
三重県大台ケ原山系の地下軟水を使ってメーカーがしっかり洗浄してから製品化しているので、匂いが少ないと人気です。
西川 [ジェミール]羽毛掛け布団
羽毛の名産地であるハンガリー産のシルバーグースを、90%使用しています。
大手布団メーカーの厳しい基準のもと、日本国内で洗浄。
匂いが少ないと評価の高い、高品質な羽毛布団です。
まとめ
匂いの感じ方や嗜好は個人差が大きいのですが、「匂い」も快適な眠りを作る、重要な要素です。
羽毛布団の匂いは完全に除去することはできませんが、ある程度は改善できますので、安心して羽毛布団を使ってください。
それとともに、匂いは羽毛布団の良し悪しを見分けるバロメーターでもあります。
匂いに敏感な人は体臭がきつくないグースを使用し、しっかりと洗浄処理をした、高品質な羽毛布団を選ぶと良いでしょう。