古い羽毛布団は打ち直しや修理で購入時のようなボリュームが蘇る

布団を購入して5年から10年程度経過していると、購入時よりもボリュームがなくなってきたり、寝心地に違いが出てくるでしょう。 量販店で安く買った布団であれば買い換える人が多いですが、高価な羽毛布団なら打ち直しや修理も検討してみましょう。ここでは羽毛布団の打ち直しについて解説していきます。

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羽毛布団の打ち直しをするメリットは?

高価な羽毛布団を買ったばかりのころは、ふかふかで非常に寝心地がいいでしょう。良質な睡眠を取れます。しかし、購入から年月が経過するに従って、嵩減りや片寄りが生じてしまうケースも多いです。

弾力性や保湿性も少しずつ失われ、購入から5年も経過すれば高級な羽毛布団でも安価な布団とあまり寝心地が変わらなくなってしまうでしょう。中には、劣化により穴が開いてしまうこともあります

羽毛布団に穴が開く原因とその対策方法については、こちらのページで詳しくご紹介しています。

購入から10年くらいまでの羽毛布団なら、打ち直しや修理をすれば、購入時のようなふかふかな状態が蘇ります。再び快適な環境で眠れるようになります。

しかし、多くの人は羽毛布団が古くなったら、買い替えようと考えているようです。今まで布団を打ち直して使ったことのない人だと、打ち直しよりも買い換えの方が無難に思えるのでしょう。

確かに、布団の種類や状態によっては、打ち直しよりも買い替えた方がいいケースもあります。打ち直しをして、購入時のような状態に戻せるのは、ある程度品質の良い布団に限られるためです。

品質もそれなりに良く、購入から10年以内の羽毛布団であれば、買い替えるよりも打ち直しの方が安く済みます。嵩減りした羽毛は補充してもらえるのでより温かくなるでしょう。

しかし、購入から10年以上経過していると、品質の良い羽毛布団でも購入時のような状態を蘇らせるのは難しくなります。そのため、羽毛布団の質が落ちたと思ったら、できるだけ早い段階で打ち直しを検討されることをおすすめします。

打ち直しのメリットは質を蘇らせるだけではありません。実は、サイズの変更も可能なのです。羽毛布団の打ち直しでは、中に入っている羽毛はそのまま使い続け、側生地を新しくします。シングルサイズの布団2枚をダブルサイズ1枚にするようなことも可能ということです。

また、打ち直しや修理のメリットは他にもあります。羽毛布団を長く使い続けるためのメンテナンスもサポートしてくれるのです。

羽毛布団の洗濯は、かなり難しく、購入してから一度も洗ったことのない人も多いでしょう。しかし、汗などが染みこんで雑菌が繁殖している可能性が高いです。さらに、汗などで中綿が一部に寄ってしまうことも中にはあります。

羽毛布団の中身が寄る理由や対策についてはこちらのページをご覧ください。

ニオイが気になることもあるでしょう。そこで、打ち直しをするときには、中に入っている羽毛を洗浄してもらえます。そのため衛生的な状態を保てるのも大きなメリットです。除菌してニオイも除去できます。

また、布団を打ち直して使うことは、環境にも優しいです。不要になった布団は粗大ゴミとして捨てられます。

ゴミが増えると地球環境に悪影響を与えてしまいますが、布団を打ち直したり修理したりして使うことで、ゴミの減量につながるでしょう。羽毛そのものも限りある資源です。できるだけ長く使った方が環境保護の寄与にもつながります。

羽毛布団の捨て方についてはこちらのページで詳細ご紹介しています。

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羽毛布団の打ち直しの工程

打ち直しをする羽毛布団は、業者に引き渡した後に布団の修理工場に送られます。優良な業者では個別管理をしているところが多いです。最初の状態を記録するため、個別管理カルテを作成している業者もあります。

打ち直しの工程で最初に行うのは布団の解体です。生地をカッターで切って中に入っている羽毛を取り出します。

取り出した羽毛は、袋に詰め込みますが、全ての羽毛を再利用できるわけではありません。傷んで使えなくなっている羽毛もあります。

そのため、再利用可能な羽毛と層でない羽毛を選別しなければなりません。羽毛を取り出す作業は職人が手作業で行いますが、選別は機械を使って行います。粉状になっている羽毛が機械で取り除かれる仕組みです。

再利用可能な羽毛は重さを量って記録してから洗浄の工程に入ります。洗浄には洗濯機を使用しますが、個別に行うため、他の羽毛布団の羽毛と混ざってしまうことはありません。洗浄前の段階だと、汗や皮脂などの成分が付着していますが、洗浄後には綺麗に取り除かれています。

すすぎを行い洗剤も落とした後は、乾燥です。乾燥機を使用して乾かしますが、完全に水分をなくしてしまうわけではありません。ある程度の水分を残しておきます。

乾燥は高温の状態で行われ同時に殺菌もできますが、まだ嵩が足りません。空気を送り込みながら急速冷却することで本来の嵩が蘇り、ふかふかの状態になります。

また、長年の使用で羽毛の一部が塵状になっているものが混ざっているため、取り除かなければなりません。それから再び重さを量り、減った分を確認します。

次は新しい側生地を用意し、羽毛を補充する工程です。綺麗になった羽毛と付け足す羽毛を混ぜて、側生地の1つ1つのマスに充填します。

全部のマスに羽毛を充填し終えたら、側生地を縫製して閉じればほぼ完成です。最後に仕上がり具合をチェックし、検針などを行ってから梱包して依頼者の元に送られます。依頼者が羽毛布団を業者に引き渡してから、手元に戻ってくるまで、概ね3週間から1ヶ月程度でしょう。

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羽毛布団の打ち直し依頼

羽毛布団を打ち直したいと検討している人は、業者選びで迷うでしょう。羽毛布団の打ち直しを行っている業者はたくさんありますが、良心的な業者ばかりとは限りません。

料金の高いところもあれば、安く依頼できるところもあります。また、打ち直しの品質もまちまちです。なるべく安い料金で丁寧に打ち直しをしてくれる業者に依頼したいですよね。

良い業者を探し当てるのはなかなか難しく運もありますが、日本羽毛製品協同組合のリフォーム認定工場に依頼するのが無難な選択です。

羽毛布団の打ち直しや、修理を行うのに必要な設備や管理体制は、十分に整っている業者のみ認定されています。厳しい審査基準が設けられているので、認定を受けている業者はそう多くありません。

日本羽毛製品協同組合のリフォーム認定工場に依頼しようとしても、業者が自宅の近くにない場合もあるでしょう。認定を受けている業者以外でも良い業者はたくさんあります。他の依頼者のものと混ざってしまわない工夫をしている業者も多いです。

例えば、洗浄時に専用の袋を使っている業者なら安心でしょう。しかし、注意すべき業者も多いため、特徴も押さえておきましょう。

まず、頼んでもいないのに自宅を訪問してくる業者です。中には有名メーカーのアフターサービス業者を騙っているケースもあるため、引っかからないように注意しなければなりません。

無理に打ち直しを勧めてきても、その場で依頼することは避けましょう。有名メーカーのアフターサービス業者が突然自宅に訪問してくることは通常ありません。

どんな状態の羽毛布団でも打ち直し可能と謳っている業者も警戒しましょう。羽毛布団は概ね15年程度使用していると、打ち直しできない状態になってしまいます。

無理に打ち直ししようとすればできますが、購入時のような状態を蘇らせるのは困難でしょう。現状とほとんど変わらない状態で戻ってきて、高額な料金を請求される可能性があります。

羽毛布団の状態によっては、打ち直しや修理をするよりも買い替えた方がいい場合もあります。10年以上使っている羽毛布団や、ダウン比率の低い羽毛布団なら買い換えの方が金銭的にもお得でしょう。

もし買い換えを検討しているのであれば、布団専門店で品質の良い羽毛布団を買って長く使うのがおすすめです。例えば、櫻道ふとんはどうでしょうか。打ち直しをすれば長く使える高品質な羽毛布団がたくさん揃っています。櫻道ふとんへ。

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まとめ

品質の良い羽毛布団は打ち直しをして長く使えます。打ち直しをすれば購入時のようなふかふかの状態が蘇るでしょう。買い換えをするよりも安く済み、ゴミの減量や地球環境保護にもつながります。