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羽毛布団の臭いの原因とは
温度や湿度が高いと臭いやすくなる
健康な人でも、寝ている間にコップ1杯から1.5杯程度の汗をかくと言われています。しかし羽毛布団は、寝ている間に汗などを吸収することで臭いやすくなるもの。羽毛布団に浸みこんだ汗に、羽毛の除去しきれなかった油脂分が溶け出すことが臭いの原因です。
洗浄する段階で羽毛の油脂分は取り除かれています。しかし、油脂分をすべて取り除くと保温力が格段に減少するため、油脂分の除去は完全ではありません。
そこで、臭い対策には風通しの良い場所での陰干しがおすすめです。天気が悪い日には扇風機や布団乾燥機などを使っても構いません。できるだけ羽毛布団に風をあてるようにしましょう。湿気は臭いだけでなく、ダニやカビの原因にもなります。
羽毛の種類や水鳥の飼育期間も影響している
飼育期間の短い鳥の羽毛ほど臭いやすいといわれています。これは、若い鳥は成長途上にあるため、羽毛の軸部分に成長に必要な栄養素が含まれているから。成長しきった親鳥の羽毛には栄養素が含まれないため、あまり臭わないのです。
最近は羽毛布団の量産化の影響から、飼育期間が充分でない若い鳥の羽毛が大量に使用されるようになりました。それが、羽毛布団の臭いの原因になっています。一般的には、寒い時期に75日以上飼育していることが成熟した羽毛の条件。75日間よりも短い場合は、臭いの問題だけでなく、保温効果にも影響が現れます。
ダッグの方がグースより臭いやすい
羽毛の種類がダックなのかグースなのかで、臭いやすさに違いがあります。羽毛に使用される水鳥の種類をランク分けすると、マザーグース、グース、マザーダック、ダックの順です。
臭いの少ないグースの方が、ダックよりも値段が高くなります。特に飼育期間の長いマザーグースは貴重なため、高値で取引されることが多いようです。ダックは多少臭いがあるため、値段も安く下位にランクされています。
洗浄度の低い羽毛は臭いやすい
羽毛にとって洗浄の工程はとても重要です。洗浄が不足していると、臭いの原因になるだけでなく、衛生面での問題が生じます。だからといって、むやみに洗い過ぎてもいけません。人の髪を同じケラチン質のため、洗い過ぎた羽毛は痛んで保温力を失ってしまいます。
羽毛の洗浄には、長い経験と知識、蓄積したデータやノウハウなどが必要です。羽毛に使われている水鳥の種類や飼育期間にあわせて、最適なコンディションに仕上がるよう洗浄時間や洗浄剤を調整しています。
羽毛布団の臭い対策とは
陰干しして湿気を取る方法
羽毛布団は、できるだけ日陰の風通しの良い場所で干すようにしましょう。干して取り込む前に叩く人がいますが、羽毛布団は叩いてはいけません。叩くと羽毛の繊維が折れて細かくなり、保温効果が薄れてしまいます。さらに、ほこりなどの原因にもなりかねません。
風にあてることが有効な臭い対策になる
羽毛布団を風通しの良い場所に干して、風に当てることが一番有効な臭い対策です。水鳥がよく羽を広げて風にあてているのを見かけますが、あれは羽毛の中に風を通して中の空気を換気しています。羽毛布団を干すというより、布団の中に風を通すような感覚で干すようにしてください。羽毛布団の中の空気を換気することで、カビやダニの死骸などが外に排出され、いやな臭いなども減少します。
室内では扇風機を使用する
外に干せない場合は、室内で扇風機の風にあてると良いでしょう。扇風機に羽毛布団を近づけて、布団の中に風を含ませるようにして乾かしてください。
また、扇風機以外に布団乾燥機などもオススメ。布団乾燥機は羽毛布団の中に乾いた空気を送り込むので、羽毛の一つ一つに風が当たりふっくらとしてきます。
中性洗剤を使って洗濯しても良い?
羽毛布団には洗えるタイプもあります。事前に、洗えるタイプかどうか表示をしっかり確かめることが重要です。そのうえで、洗えるタイプであれば、洗濯ネットなどに入れて洗濯機で洗濯してください。浮きやすいので手で洗濯槽に沈めて、中性洗剤を入れてから洗濯をスタートさせましょう。少量でしたら、柔軟剤の使用も大丈夫です。良い香りのする柔軟剤を使用すると羽毛独自の臭いが弱まります。
洗う前に、洗濯表示タグの確認をしっかりしてください。洗濯表示タグに「手洗い」と「洗濯おけ」が表示されている場合は、家庭で洗濯しても構いません。ただし、「手洗い」と「洗濯おけ」にバツ印がついているものは家庭では洗えないので、クリーニング店で洗ってもらうようにしましょう。
なお、羽毛布団を洗濯した後は、干して取り込む際に布団たたきなどでたたかないようにしてください。叩くと羽毛が折れてちぎれ、細かくなってしまいます。
ファブリーズの使用は控えましょう
ファブリーズ等の消臭剤は使用しないようにしてください。消臭剤は布団表面を湿らせてしまうだけで、臭い対策としては効果がありません。効果がないだけでなく、布団の表面を湿気が覆うため、雑菌が繁殖しやすくなります。くれぐれも、ファブリーズなどの消臭剤の使用は控えるようにしましょう。
保管は通気性のよいところで
羽毛布団の保管は、通気性の良い場所で行ってください。適度に通気性の良い場所で保管すると羽毛布団の中に風が入り、雑菌の繁殖や臭いのもとを抑えることができます。圧縮するタイプの密閉袋に入れて布団を収納する人がいますが、羽毛布団は密閉袋に入れないようにしてください。
臭いのきつくない羽毛布団の選び方
羽毛の種類を確かめよう
羽毛の種類によって、臭いがあるタイプとあまり臭わないタイプがあります。羽毛布団に使用されている水鳥は、グースとダックの2種類です。ダックに比べてグースの方が臭いは少ないとされ、値段的にも高値で取引されています。飼育期間の長いマザーグースが最も貴重とされ、次にグース、マザーダック、ダックの順です。
洗浄力の高いものを選ぶ
日本製の羽毛布団は、日本羽毛製品協同組合が定めた洗浄基準を守っています。日本羽毛製品協同組合が基準値と定めている値は洗浄度500mm以上。洗浄度500mm以上という数値をクリアしている羽毛布団は、日本製品としての信用度が高まります。なお、日本の羽毛布団メーカーの中には、日本羽毛製品協同組合が定める洗浄基準より高い洗浄度を独自に課しているところがあります。
おすすめの国産の羽毛布団メーカーに「櫻道ふとん店」があります。櫻道ふとん店は富士山の麓、御殿場市にある創業40年の老舗の布団店です。櫻道ふとん店の創業者・林兼義社長は昭和八年生まれ。「御殿場技能功労賞」を受賞した技で、櫻道ふとん店独自の仕立てを行ってきました。
櫻道ふとん店が羽毛布団をはじめたのは、昭和から平成に変わった頃です。当時はどれだけ高価な羽毛を使っても、自分たちが納得できる羽毛が見つからず、「ならば、櫻道ふとん店で理想とする羽毛を作ればいいじゃないか」と決意。ここから理想とする羽毛づくりからスタートさせました。
櫻道ふとん店の羽毛布団は暖かくてやわらかく、軽いのが特徴です。布団の羽毛にムラがないので、朝までぐっすり眠れるでしょう。どの「御殿場スペシャル」も「空気のようなやわらかさと軽さ」です。
また、櫻道ふとん店の羽毛布団は、特に血圧の高い人におすすめ。布団が軽いので血圧が安定しやすくなります。腰痛の方も布団が軽く寝がえりがしやすいため、腰への負担が少なく、朝までぐっすり眠れるはずです。健康な方も、櫻道ふとん店の羽毛布団で日頃のたまった疲れを癒してください。
まとめ
今回は、羽毛布団の臭い対策について解説してきました。臭いには、羽毛布団に使用する水鳥の種類や飼育期間など、さまざまな原因があります。臭い対策の一番のポイントは羽毛布団に風を入れて湿気をできるだけ取り除くこと。扇風機などで風を当てるだけでも効果があります。ぜひ、羽毛布団のお手入れにお役立てください。