羽毛布団の使用時期に季節は関係する?
一口に羽毛布団といっても大きく分けて、「本掛け」「合掛け」「肌掛け」「2枚合わせ」の4種類があります。主な違いは充填される羽毛の量です。季節別に使い分けるとしたら、以下のとおりとなります。
時期 | 本掛け | 合掛け | 肌掛け | 2枚合わせ | |
---|---|---|---|---|---|
冬 | 1月 | 〇 | △ | × | △ |
2月 | 〇 | △ | × | △ | |
春 | 3月 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
4月 | △ | 〇 | × | 〇 | |
5月 | △ | 〇 | × | 〇 | |
夏 | 6月 | △ | 〇 | △ | △ |
7月 | × | △ | 〇 | × | |
8月 | × | △ | 〇 | × | |
秋 | 9月 | △ | 〇 | △ | △ |
10月 | 〇 | 〇 | × | 〇 | |
11月 | 〇 | 〇 | × | 〇 | |
冬 | 12月 | 〇 | △ | × | △ |
「本掛け」は一般的な羽毛布団を指し、羽毛の量が多くて保温能力に優れています。主に冬用の羽毛布団です。冬用の羽毛布団については、こちらのページでも詳しく紹介しています。
「肌掛け」は本掛けよりも羽毛が少なく、充填量は本掛けの1.5㎏前後に対し、0.5㎏前後です。主に梅雨から秋口まで使い、「ダウンケット」とも呼ばれています。夏用の羽毛布団についても、こちらのページで詳しく紹介しています。
「合掛け」は本掛けと肌掛けの中間で、夏と冬の合間に使うから合掛けと呼ばれています。羽毛の充填量は0.8g前後と本掛けの半分くらいです。使い勝手に優れており、室内の温度が下がり過ぎなければ冬でも1枚で凌げる場合があります。
「2枚合わせ」は肌掛けと合掛けが1つになっており、用途に合わせて別々に使うことも可能です。春と秋は合掛けだけ、夏は肌掛けだけ、冬は一緒にすると1年中使えるでしょう。ただし1つになったときの使い心地は本掛けよりも劣ります。
このように4種類の羽毛布団それぞれにメリットとデメリットがあり、予算が許せば夏用、冬用、春・秋用と揃えておくと快適に眠れるでしょう。衣替えの目安としては寝室の温度が16℃以下になれば冬用、22℃以上は夏用、その間は春・秋用です。
羽毛布団は季節に応じた温度調節ができるの?
逆に1枚の羽毛布団を1年中使う人もいます。それも合掛けや2枚合わせではなく本掛けの羽毛布団です。夏だけは暑苦しいときがあるかもしれませんが、意外と季節を問わず快適なようです。
それは羽毛布団の保温能力に秘密があります。羽毛は膨らんで空気を含む性質があり、体温から伝わった熱を逃がさない仕組みです。
ただし、外気温が高くなると羽毛が膨らまず空気を含まなくなるため、体温が伝わっても熱は逃げてしまいます。羽毛が空気を含まないと通気性も良くなるので湿気がこもりがちな梅雨時もジメジメしないでしょう。
このように羽毛布団の保温能力は室温に合わせて変わるので、冬は温かいのに夏は暑苦しくならないのです。
最近ではエアコンによって室内の温度が一定に保たれており、先述のとおり22℃以上にならなければ1年中本掛けの羽毛布団だけでも問題ないかもしれません。
季節に合わせて羽毛布団を変える際にすることとは
もし季節に合わせて数種類の羽毛布団を使い分けているなら、衣替えの際に手入れが必要です。
まずは使った羽毛布団にこもった湿気を、天気が良くて空気がカラッとしている日に陰干しで放出します。ベッドの上で広げたり、物干しにかけたりしましょう。時間は暖かい季節なら30分、寒い季節は1時間が目安です。
このとき羽毛布団は決して叩いてはいけません。側生地が破損して羽毛が飛び出したり、羽毛そのものが壊れたりする原因になります。ホコリやダニが気になるなら布団用掃除機を使って優しく吸い取りましょう。
湿気を放出するなら天日干しのほうが良いのではないかと考えがちですが、羽毛布団にとってはあまり良くありません。
羽毛は動物性の原料なので、直射日光の影響でタンパク質が変性して劣化する恐れがあります。また外へ出し入れする間に側生地をどこかに引っ掛けて破く可能性も考えられるでしょう。陰干しでも十分に湿気は放出できます。
保管するときはそのまま収納するのではなく、羽毛布団用の収納袋に入れましょう。カバーをつけたままにするなら事前に洗濯して清潔な状態にしてから新たに取り付けます。
さらに防虫剤を入れると安心です。ファスナーを完全に閉めず、2~3㎝ほど開けておくと中の空気が入れ替わって湿気や臭いがこもらなくなります。
圧縮袋はスペースの節約になりますが、羽毛が壊れて元に戻らなくなるので羽毛布団に使うのはNGです。同様に何も上に乗せない状態で保管すれば羽毛を壊す心配はありません。押し入れやクローゼットの上部など通気性の良い場所に保管するのが理想です。
保管しておいた羽毛布団を出すときも一度陰干しして湿気や臭いを放出し、布団用掃除機をかけておくとその日から快適に使えます。
衣替えのたびに正しい手入れをしていれば、羽毛や側生地の劣化を防げて、羽毛布団の寿命を延ばせるでしょう。
まとめ
羽毛布団は充填される羽毛の量によって4種類あり、季節別に使い分ければ快適に眠れます。
また羽毛は室温に応じて保温能力が変わるので、極端に暑くなったり寒くなったりしなければ一般的な本掛けの羽毛布団でも1年中使えるものです。衣替えの際は陰干しなどの正しい手入れをして、羽毛布団の寿命を延ばしましょう。
櫻道ふとん店でも羽毛ではなく綿ですが、夏用の肌掛けや春・秋用の合掛けを扱っています。綿にトルマリンを練り込むなど快適に眠る工夫が盛り込まれた掛布団です。また本掛けの羽毛を調節して肌掛けや合掛けにすることも可能です。