夏でも羽毛布団を使って良いの?
いくら夏が暑くても、眠るときに何も掛けないのは、体を冷やして調子を崩してしまいます。体から発した熱がそのまま逃げてしまうからです。
朝方になると気温が下がってひんやりとしますし、エアコンをつけっ放しにしているとなおさら寒く感じるでしょう。最低限、体を冷やさない程度の温かさは必要です。
夏の布団といえば綿が入った肌掛けが主流であり、櫻道ふとん店でも数種類がラインアップされています。綿は吸湿性に優れており、寝汗をかきやすい夏でもサラリと眠れるのが特徴です。
羽毛布団でも夏用に作られたダウンケットであれば、暑い夜も快適に眠れます。熱がこもりそうなイメージがあるかもしれませんが、意外と涼し気です。むしろ羽毛は綿より軽いので開放感があります。
ただし本掛けなど冬用の羽毛布団を夏に使うのは避けるべきでしょう。羽毛が空気を含んで熱を外へ逃がしづらい構造になっているからです。どんなに羽毛布団が軽くても無理があります。
選び方としては、「羽毛肌掛け」または「ダウンケット」といった名称であれば夏用です。本掛けは冬用ですし、合掛けは春・秋用ですから気をつけましょう。櫻道ふとん店では「カスタム」といって、冬用の羽毛布団を夏用に調整することができます。
羽毛肌掛け布団はなぜ夏でも使用できるの?
では、なぜ羽毛は空気を取り込んで熱を逃がさない性質なのに、夏でも使用できるのでしょうか。それは気温によって空気を取り込む量が違うからです。
暑い夏は羽毛が膨らまず、体温が伝わっても熱はそのまま逃げてしまいます。さらに綿よりも通気性に優れているので、蒸れにくさという点では羽毛布団のほうが上です。もちろん吸水性もあります。
ただし冬用は羽毛の量が多すぎて、保温能力のほうが勝ってしまいます。そのため夏用の肌掛けは羽毛を少なくして過度に暑くならず、通気性を良くしているのです。
その量は0.4㎏と冬用の1/3以下になります。当然、より軽くて薄い肌掛けになり、綿ほど体に密着せず眠れるでしょう。重さ以外ではダウンの割合が85%以下で、ダウンパワーが330DPの「ニューゴールドラベル」が目安です。
夏用の肌掛けは側生地にも涼しいと感じさせる加工が施されています。例えばパイルやガーゼ地を使って寝汗の吸収を良くしたり、繊維や織り方によってひんやりとした肌ざわりにしたりするなどです。
キルティング加工も、放熱しやすいよう厚みを薄くしています。その点では側生地の表と裏を直接縫い合わせるヨーロッパキルトが最適です。
さすがに同じ羽毛布団でも肌掛け1枚だけで年中使うのは難しいでしょう。冬はもちろん、春や秋でも寒いです。
予算や保管スペースの都合で、どうしても夏冬兼用にしたい場合は合掛けとの2枚合わせがおすすめです。夏は肌掛けだけ、春と秋は合掛けだけ、冬は1つにして使えます。
ただし夏用の肌掛けは他の季節に比べると多量の寝汗を吸収しますから、羽毛の劣化も早くなりがちです。
カバーをかけないで使うと合い掛けとの色の違いも目立つでしょう。できれば肌掛け・合掛け・本掛けと全部揃えて季節ごとに使い分けるのが理想です。夏用は冬用ほどダウンの量や質の高さを必要としないので、お手頃価格で購入できます。
まとめ
羽毛は気温に合わせて取り込む空気の量を調節できるので、重さやダウンの割合、ダウンパワーを減らせば夏でも快適な羽毛布団を作れます。
「羽毛肌掛け」や「ダウンケット」という名称の羽毛布団を選びましょう。さすがに冬は寒くて使えませんが、どうしても羽毛布団を1つにしたいなら合掛けとの2枚重ねにすると、季節に応じて使い分けられます。