なぜ冬用の羽毛布団は温かいの?
羽毛は水鳥の体から採れる「ダウン」と翼から採れる「フェザー」の2種類があります。特にダウンは膨らんで空気を取り込む性質があり、体温が伝わるとその熱を逃がさず、温かい上に寒さの影響を受けません。
他にも羽毛布団は他の素材に比べると柔らかいため、体にフィットして隙間ができづらくなっています。眠っている間に寝返りを打っても冷たい空気が入り込みません。
羽毛は寝汗の放湿性や吸湿性にも優れていますから、冬特有の蒸れも防げます。掛けるのが羽毛布団だけの使い方なら夏以外の季節もあまり不快にはならないでしょう。
羽毛布団は軽さも魅力です。同じ保温能力を綿の本掛けと毛布の組み合わせで実現しようとすると、重さのせいで眠りを妨げてしまいます。それでいて羽毛布団ほど温かくはありません。羽毛布団なら重さを意識せずに朝まで熟睡できるでしょう。
冬用に特化した羽毛布団は、一般的な本掛け以上に温かく眠るための加工が施されています。例えば、羽毛の量は夏用の肌掛けが0.5㎏、春・秋用の合掛けが0.8kg前後です。それに対して冬用は1.3~1.5㎏と、ほぼ2~3倍の羽毛が使われています。
また羽毛布団は羽毛が偏らないようにキルティング加工するのが一般的です。冬用の羽毛布団は冷えやすい襟元や足元に面積の狭いキルトを設けて、温かさを感じやすくしています。
さらにベッドの幅に合わせた縫い目を入れることで、羽毛布団の端が自然に垂れ下がり、より隙間ができづらいのが特徴です。
側生地も寒くならないように工夫されています。例えば綿の割合を増やすと肌ざわりが柔らかくなり、体へのフィット感が向上します。
寒い冬を乗り切る羽毛布団選びの注意点
本掛けの羽毛布団は、いくつものメーカーから数多くの種類が販売されており、それぞれ温かさも異なります。けれども見た目だけでは区別が付きづらいものです。どのような点に注意して選べばいいのでしょうか。
まず確認したいのが「羽毛の量」です。快適な温度を保つには1.5㎏の羽毛が必要です。1.3㎏の本掛けもラインアップされていますが、たった200gの違いで大きな差が出ます。
次に「ダウンの割合」です。多くなるほど温かくて軽い羽毛布団になります。冬用なら最低でも90%以上は欲しいところです。
「ダウンパワー」も確認しましょう。ダウンパワーとは羽毛1gあたりの体積で、単位は「DP」です。数値が大きいほど取り込む空気の量が多くて温かくなります。冬用なら400DP以上の「ロイヤルゴールドラベル」からが最適です。
もう1つ重視したいのが「キルティングの種類」です。従来の側生地の表と裏を直接縫い合わせる「ヨーロッパキルト」に代わって、最近ではマチのある「立体キルト」が主流です。
メーカーによっては二層(デュアルキルト)にしたり、上下の層で互い違いにしたりするなどして、より温かく体に密着しやすいキルティング加工を施しています。
こうすると空気を多く取り込んで、かさ高のある羽毛布団になり、1枚でも寒いと感じません。
櫻道ふとん店で扱う「御殿場スペシャル」も高価格帯になるほど、独自のキルティング加工によってボリューム感が増しています。冬用なら職人のこだわりが随所に感じられる「ガーネット(79,800円)」以上がおすすめです。
まとめ
羽毛布団は、羽毛の膨らんで空気を取り込む性質と柔らかさによって冬でも温かく眠れます。
冬用に特化したものは羽毛の量を増やしたり、キルティング加工を施したり、側生地を工夫したりするなどしているので、より寒さを防げるでしょう。温かさや快適さは価格に反映されるので、冬用なら最低でも6~7万円台以上の羽毛布団を選びたいものです。