羽毛布団の種類は主に3種類!それぞれの特徴を紹介

寒い冬や、朝晩は肌寒い春や秋など、1年のうち羽毛布団が活躍する期間は意外にも長いといえます。 ですが「いざ羽毛布団を新調しよう」と思ったときに、種類が多すぎて悩んでしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。この記事では代表的な羽毛布団の種類を紹介します。

この記事は約10分で読み終わります。

【羽毛選びの基礎知識その1】「ダウン」と「フェザー」の違い

最初に基礎的な知識として、ダウンとフェザーの違いから解説していきます。

ダウンとフェザーは、どちらも水鳥から採取した羽毛です。ただし、このふたつはそれぞれ、水鳥の別々の部位から採取されます。

人間の体毛がそうであるように、水鳥の羽毛も生える部位によって役割が違い、見た目や機能が大きく異なるのは当然です。羽毛布団の種類を知る前に、ダウンとフェザーの違いや利用方法を理解しておきましょう。

ダウン

ダウンは水鳥の胸元に生える羽毛で、軸がなくて柔らかく、タンポポの綿毛のようにふわふわとしているのが特徴です。

ダウンは体温を守るために保温性に優れていて、いわば水鳥の肌着です。水鳥が冷たい水に浸かっても平気なのは、ダウンが大事な心臓を寒さから守っているからにほかなりません。

ダウンボールと呼ばれる綿毛は空気をたっぷりと含んで保温効果が高く、吸湿・放湿性にも優れた質の高い羽毛です。ダウン比率が高い羽毛布団ほど軽くて、暖かく眠れると判断していいでしょう。

ただしダウンが生える部位は狭く、限られた量しか採取できません。そのためダウン比率が高い羽毛布団ほど、価格が高くなりがちです。

フェザー

フェザーは中心に硬い軸がある、いわゆる「鳥の羽根」の形状の羽毛です。翼の部分に生えているものは硬くて使えないものの、腹の部分に生える小さな羽根は比較的柔らかく、スモールフェザーとして羽毛布団に活用されています。

フェザーの魅力は、弾力性や復元力があることでしょう。ダウンと混ぜて羽毛布団に充填するとへたりにくくなり、長期間保温力を維持することができます。

フェザーは保温力が高くないものの、逆に通気性が良いというメリットがあります。価格もお手頃で、スモールフェザーは暑い季節に使う肌掛け布団にも活用されています。

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【羽毛選びの基礎知識その2】「ダウンパワー」と「ダウン率」

羽毛布団の品質を見分ける基準となる、「ダウンパワー」と「ダウン率」についても詳しく解説します。

どちらも羽毛の性質を示す数値です。商品表示にも記載されているため、よく確認して選んでください。

ダウンパワーとは

ダウンパワーは羽毛のやわらかさや保温性などの指標となる数値です。日本工業規格によって定められた方法で、実際に羽毛を測定して算出されます。

ダウンパワーは「db(cm3/g)」という単位で表されるのが一般的です。この数値が高い商品ほど羽毛の膨らみが良く、保温性も高い良品と判断していいでしょう。

ダウン率とは

ダウン率は羽毛布団に充填されるダウンの割合を示す数値です。ダウンが多いほど保温性が高まり、逆にスモールフェザーが多く含まれる羽毛布団は暑苦しくありません。

冷え性の方や寒い季節に使う暖かい羽毛布団を探している場合は、ダウン率の数値が高い商品を選ぶと良いでしょう。

「羽毛布団」と「羽根布団」は違うものである点に注意

そもそも「羽毛布団」と「羽根布団」は別物です。布団は充填した羽毛の違いで大きく性能が変わることを、しっかり理解しておきましょう。

ふとんの中身が鳥の羽なららすべて羽毛布団だと誤解する人は多いものの、厳密にはダウン率50%以上のものが「羽毛布団」、ダウン率50%以下の商品は「羽根布団」です。軸のあるフェザーの割合が多い商品は、保温力・軽さの面では劣ります。

基本的に羽毛布団のほうが、寝具としての品質が高いと評価されています。布団の違いを賢く見分けてください。

ダウンパワーの最高ランク「ゴールドラベル」

羽毛布団の品質を見分ける基準として、「ゴールドラベル」を参考にするのも良い方法です。

ゴールドラベルは日本羽毛製品共同組合の発行する品質証明で、ダウンパワーの高さによって次の4つにランク付けされています。

・ニューゴールドラベル 300cm3/g以上
・エクセルゴールドラベル 350cm3/g以上
・ロイヤルゴールドラベル 400cm3/g以上
・プレミアムゴールドラベル 440cm3/g以上

商品表示を参考に、自分の好みにあった暖かさの羽毛布団を選んでください。

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【羽毛布団の種類】ダック

ダックとは「あひる」のことです。小さめのダックからとれる羽毛は1つひとつ小さめですが、羽毛布団は安価で入手しやすい傾向があります。

価格が安い

ダックの羽毛布団の大きな特徴は「価格が安い」ということにあります。

「羽毛布団は高いのでは?」と、購入をためらっている方にもおすすめです。初めて羽毛布団を使うという方はまずはダックで試してみるというのもありでしょう。

ダウンパワーの数値が高いものがある

価格が安いダックダウンは品質が劣ると誤解されがちですが、復元性が高く、ダウンパワーの数値が高い商品も多いです。安心して選んでください。

ダウンパワーが高いと吸湿発散性も良いため、快適に眠れます。

グースよりも臭いがある

羽毛布団に使われるダックやグースの羽毛。動物から採取する素材を使っていることもあり、どうしても臭いが出てしまうことがあります。

またダックは雑食のため、グースに比べると臭いが強いともいわれます。

臭いの強さはダウンに残っている油脂分によるものが大きいとされます。若いダックのほうが臭いは強く、ほかにもダウンの洗浄不足により臭いが残ってしまうということがあります。

ダウンボールが小さい

アヒルはガチョウに比べて体が小さい水鳥なので、どうしてもダウンボールが小さい傾向があります。

そのため布団のボリュームを出そうとすると充填量が多くなり、そのぶん布団が重くなりがちです。暖かさとともに羽毛布団の軽さを重視する場合は注意してください。

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【羽毛布団の種類】グース

価格が高い

ダックに比べると高級なグースの羽毛布団。その理由はダックよりもグースの羽毛のほうが大きいというところにあります。

先ほども紹介したように、羽毛布団に使われている羽毛には「ダウン」と「フェザー」が使われます。

とくにダウンが入っている割合が大きいと羽毛布団は上質なものになるといえるでしょう。

体の大きなグースからは保温性に優れた大きなダウンがとれ、ふわふわと温かい寝心地が生まれます。そのためグースの羽毛布団は高価といわれるのです。

臭いが少ない

ダックは雑食ですが、グースは草食のため比較的臭いが少ないです。

もちろん動物から採取する素材のため、臭いがまったくないとはいえません。

ですがもともと臭いが少ないというグースの特徴に加え、羽毛布団を作る過程でしっかりと羽毛を洗浄するため、臭いは少ないといえるでしょう。

ダウンボールが大きい

羽毛布団の中身はフェザー(軸のある羽根)とダウン(芯のないボール状の羽毛)でできています。

ダウンボールについても、体の大きなグースからは大きいものがとれます。そのためボリュームがありながらも軽量な、ふわふわの羽毛布団に仕上がります。

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【羽毛布団の種類】マザーグース

グースの中でも「マザーグース」はとくに高価な羽毛布団といえます。

価格が高い

グースの中でも特別な種類のマザーグース。

シングルの羽毛布団1枚につき、なんと50~60羽のマザーグースのダウンが必要とされています。

マザーグースのダウン自体が上質であることはもちろん、ダウンの採取のしかたも丁寧で時間がかかります。

しかし丁寧な仕事で作られた羽毛布団は軽くてボリュームがあり、価格の高さに見合った快適な眠りを提供してくれるでしょう。

飼育期間が長い

マザーグースは飼育期間が長いことが特徴です。十分に成長した親鳥からとられたダウンは、サイズも大きく保温性に優れています。

通常、羽毛は食べられることを目的に育てられた水鳥の副産物として採取します。しかしマザーグースは繁殖用として育てられています。

食用の水鳥は若くサイズも小さいですが、マザーグースはしっかりと成熟した親鳥です。

羽毛布団の最大の魅力である「軽さ」「保温力」を兼ね備えた大きなダウンがとれます。

ダウンボールが大きい

親鳥であるマザーグースは、通常のグースよりもさらに体が大きいです。

しっかりと成長したマザーグースのダウンボールは自然と大きくなります。ダウンボール1つひとつが大きいことで、空気をたっぷり含み温かい羽毛布団となります。

そのうえしっかりと成熟したダウンは使っていてもへたりにくいという特徴もあります。

「使っていたら羽毛が数年でヘタってしまった」という経験がある方もいるでしょう。そんなときは高価ですが長持ちする、マザーグースの羽毛布団を選ぶのもひとつの方法です。

軽くてボリュームがある

マザーグースの羽毛布団は、ダウンボール1つひとつが大きいため、軽くてボリュームのある仕上がりになります。

寝るときはできるだけ軽くてふわふわの布団がいいという方も多いでしょう。寝返りも打ちやすく、外の寒さを感じにくい保温性に優れたマザーグースの布団はゆっくり眠りたい方にピッタリです。

各羽毛の種類でも特徴がありますが、産地別でも特徴が表れます。

詳しい産地ごとの羽毛の特徴やマザーグースに関するより詳しい情報は、下記のページでご確認ください。

羽毛の産地別の詳細情報はこちらのページ!

マザーグースに関する詳しい情報はこちらのページ!

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そのほか羽毛やダウンに関する豆知識

最後に、羽毛布団を選ぶ際に知っておきたい豆知識も紹介していきます。

使っている羽毛布団がなかなか暖まらない、もしくはボリュームが減ったと感じたら、そろそろ買い替えの検討が必要かもしれません。羽毛やダウンについてよく知ることで、自分にあった寝具を選んでください。

「ホワイトダウン」と「シルバーダウン」はなにが違う?

羽毛の表示によく見られる「ホワイトダウン」と「シルバーダウン」は、基本的に羽毛の色の違いです。

白い羽毛は清潔感があり、側生地から透けにくいと好まれるものの、飼育環境が同じであれば品質に差が出ることはありません。色よりも質を重視して選んでください。

希少価値の高いダウンを紹介

希少価値の高いダウンを選ぶのも選択肢のひとつです。

流通量が少ないため高額ではあるものの、寝具の質や寝心地を重視する人におすすめです。

スティッキーダウン

スティッキーダウンとはダウンのなかでも、特にねばりが強い性質をもつ羽毛だけに与えられる名称です。スティッキーダウンの羽毛布団は非常に保温性に優れていることが知られています。

種類に関係なく、長期間しっかり育てられた水鳥から、ごくわずか採取される成熟した羽毛です。羽毛同士がよく絡むため、暖かい空気が逃げません。

アイダーダックダウン

厳寒の地、アイスランドに生育するアイダーダックから採取された高級な羽毛です。アイダーダックは寒さをしのぐために抜けた羽毛を巣に貼り付ける習性があり、こちらも羽毛同士がよく絡み、非常に保温性に優れています。

アイダーダックダウンはアヒルの巣から人の手で丁寧に採取して精製されるため、希少性が高く、「羽毛の宝石」とも呼ばれています。

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まとめ

羽毛布団に使われる羽毛には「ダック」「グース」「マザーグース」の種類があり、選び方によっては値段や快適性が変わります、フェザーやダウンの割合によっても機能が左右されるため、しっかり見分けていきましょう。

自分の中で優先順位を決めると、寝具が選びやすくなります。自分にあった羽毛布団で、快適な睡眠ができると良いですね。

羽毛布団選びでは、ゴールドラベルも参考になります。詳しい情報は下記でご紹介しているため、ぜひチェックしてください。

羽毛布団のゴールドラベルについてはこちらのページ!

また、櫻道ふとん店の羽毛布団は、ふわふわとした軽い特徴があります。お試しも可能なので、気になる方は一度サイトを確認してみてください。

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