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羽毛布団のダウンパワーとはなにか?
羽毛布団の品質を知りたいときに参考となるのがダウンパワーです。ダウンパワーとは羽毛1gあたりの体積(㎝3/g)を表す数字であり、dpという単位で示されます。
羽毛布団の品質は何で決まる?
羽毛布団の品質を決めるのはダウンの膨らみです。同じ重さのダウンでも、膨らみが大きい羽毛布団ほど、保温力、保湿力、弾力があり、品質が高いと考えられています。
では、ダウンの膨らみは何で決まるのでしょうか。ダウンの膨らみに大きく関係するのが羽毛一つ一つを示すダウンボールの大きさです。ダウンはタンポポの綿毛のように羽枝が放射状に広がってできており、羽枝によって空気の層が作られています。
羽毛布団が温かいのは、体温によって温められた空気の層が羽枝によって囲い込まれているためであり、空気の層が大きいほど、保温力も高いです。
そのため、より多くの空気を囲い込める大きいダウンボールが使われた羽毛布団は保温力が高く、長時間温かさを感じられます。
また、大きいダウンボールを使用し、空気を大きく含んだ羽毛布団はフワフワとした弾力があり、保湿性も高いです。
ダウンパワーはダウンの膨らみを示す数値
羽毛の膨らみやダウンボールの大きさは羽毛布団の品質を左右しますが、見た目ではどの羽毛布団に使われている羽毛の膨らみが良いのかを判断できません。
ダウンパワーはダウンボールの大きさを知りたいときに役立つ数値で、dpが大きい羽毛布団ほど、ダウンの膨らみが大きいです。したがって、同じ重さのダウンが含まれている羽毛布団でも、ダウンパワーが大きい羽毛布団の方が保温や保湿性力に優れ、弾力も感じられます。
ダウンパワーが大きい羽毛布団は高品質で高級です。300dp以上の羽毛布団に対しては、日本羽毛製品協同組合からゴールドラベルが発行されており、ゴールドラベルも羽毛布団の品質を示す基準の一つと考えられています。
ゴールドラベルの内容を詳しく知りたい人はこちらを確認してください。
ダウンパワーの算出方法は?
ダウンパワーはJIS(日本工業規格)に定められた試験方法によって算出されます。
ダウンパワーを算出する試験
内径29㎝、高さ60㎝の容器に30gの羽毛を自然落下させます。その後、重さ93.4gの円盤を乗せて2分間待ち、底から円盤までの高さを測って羽毛の体積を算出します。最後に、羽毛1gあたりの体積値を割り出し、dpとして数値化されたものが、ダウンパワーです。
なお、ダウンの膨らみは条件によって異なります。したがって、同一条件で試験をするためには前処理としてダウンをスチームで乾燥させ、温湿度の変化がない場所に1日以上放置しなければなりません。
高級羽毛布団のダウンパワーの目安とは?
羽毛布団のダウンパワーは一般的に次のようにランク付けされます。
・300dp以上:低級
・350dp以上:中級
・400dp以上:高級
・450dp以上:最高級
羽毛布団のダウンパワーは300dpから500dp以上と、商品によって差が大きいです。しかし一般的に、400dp以上の羽毛布団はフカフカで保温力のある高級羽毛布団だと考えられています。そのため、高品質の羽毛布団を選びたいときは目安にすると良いでしょう。
ダウンパワーが高い布団を探しているなら、櫻道ふとん店の商品を確認してみるのがおすすめです。
かさ高とダウンパワーの関係
かさ高も羽毛布団の品質を知りたいときに参考となる数値です。
かさ高とは?
かさ高はダウンの膨らみを表す数値です。2012年にダウンパワーが使用されるようになるまでは、かさ高が羽毛布団の品質を判断する材料として使われていました。
かさ高の算出方法
かさ高は内径29㎝、高さ50㎝の容器に30gの羽毛を自然落下させて120gの円盤を乗せ、2分後に底から円盤までの高さを測る方法によって算出します。底から円盤までの高さを示す㎜もしくは㎝が単位であり、高さが高いほど高級です。
・120㎜以上:低級、300dp以上
・145㎜以上:中級、350dp以上
・165㎜以上:高級、400dp以上
・180㎜以上:最高級、450dp以上
かさ高とダウンパワーは算出方法が異なるため、同ランクの羽毛布団でも品質が完全に一致しているわけではありません。
ただし、日本羽毛製品協会はかさ高165㎜以上はダウンパワー400dp以上と同程度の品質と認めています。高級羽毛布団を購入したいときはいずれかの数値を参考にすると良いでしょう。
ダウンパワーとかさ高の違い
ダウンパワーとかさ高の算出方法の違いは羽毛の上から乗せる円盤の重さと前処理の方法です。
・ダウンパワー算出時:93.4g
・かさ高算出時:120g
・ダウンパワー算出時:スチーム法
・かさ高算出時:ドライヤー法
ダウンパワーを算出するときは、ドライヤーで羽毛を乾燥させた後にスチームを吹きかけます。そして、再びドライヤーをかけて温湿度変化のない場所に24時間放置した後に、またドライヤーをかけて5時間以上置き、底から円盤までの高さを測ります。
また、かさ高を算出する場合は、スチームを使いません。羽毛でドライヤーを乾燥させた後に24時間放置し、再びドライヤーを当てて5時間置いた後に底から円盤の高さを計測します。
ダウンパワー算出時に用いられるスチーム法とかさ高算出時に用いられるドライヤー法では、スチーム法を用いた方が羽毛の体積が大きくなります。したがって、ダウンパワーとかさ高が同程度の羽毛布団でも、品質が完全に一致するわけではありません。
まとめ
羽毛布団の温かさやフワフワとした弾力を知りたいときはダウンパワーやかさ高を確認してみましょう。ダウンパワーやかさ高の数値が大きい羽毛布団は羽毛の膨らみが良く、保温性や弾力性、保湿性などに優れています。